2008年のエロマンガ大賞を選ぶ前に、ダントツで2007年の大賞を受賞した名作をおさらいしてみるのも一興かと。

言わずと知れた超話題作「キャノン先生トばしすぎ」
その右は初回限定版の付属冊子。
表紙には「エロマンガを読むのはニートとひきこもりの義務だよ♥」とか書いてあります。
余計なお世話です。
ちなみに冊子の内容はというと、ゴージャス宝田先生の短編がいくつか収録されていたり、「ら○☆すた」のパロディ四コマらしき「どくすた」という作品が収められていたりします。
(※しかも内容はどうもパロディ元を批判したような挑発的なネタだったりします。)
また、他のエロ漫画家さんのキャノン先生のイラストが載っていたり、宝田先生のこれまでの活動歴を纏めた年表なども収録。
少ページながらも読者を楽しませようとする工夫が見て取れます。
下の画像は冊子内収録作「カベノウタ」から抜粋。

少女が怨恨により公衆便所の壁に塗り込められて、多数の男達の性的玩具にされる純粋鬼畜系ストーリー。
また、価格は「1300円+税」とやや高めですが、本誌がぶ厚い上に付録冊子付きなのでコストパフォーマンスは良好。

キャノン先生とUKの間にあるオレンジの背表紙の薄い本が付属冊子。
周囲の本と比較すると一目瞭然のぶ厚さ。
それでは以下、本編のレビュー。
【レビュー】
□採点
画力 :★★★★☆
実用度 :★★★★☆
総合評価:★★★★★
ファンタジー:★★★★★
リアリティ:★★★☆☆
汎用性:★★★★☆
独自性:★★★★★
□属性
・合意系。
・ヒロイン、巨砲キャノン先生の年齢は12歳小学生。なのに売れっ子エロ漫画家。その恋人兼アシスタント、ルンペン貧太は30歳男性。
・衣装はセーラー服やメイド服、ランドセル、スクール水着、その他私服など。
・濡れ場ラストは中出し中心だが、肛内中出し、顔射、器具などを用いた激しい自慰シーンも収録。
□修正
ごく細めのホワイト修正。
□あらすじと濡れ場の流れ
目次の次のページにこんな注意書きが。

ジャンルがジャンルだけに創作側も慎重を期しているのでしょうか。
「第1話 炸裂!キャノン先生」

女子小学生でありながら、売れっ子ロリエロ漫画家の「巨砲(おおづつ)キャノン」先生(12)。
彼女に気に入られた貧乏漫画家ルンペン貧太(30)は彼女の専属アシをすることに。
その後、キャノン先生に誘惑されアナルH。
キャノン先生のアナルから「恐ろしいもの」が産み出されるシーン等も収録。
また、この回だけを読むと初対面の貧太にキャノン先生が一目惚れをしたように思われるが、実はそうではない事が後の回にて語られる。
「第2話 暴発!キャノン先生」

キャノン先生に改めて告白され、恋人同士になった二人は初めての膣挿入Hをすることに。
どこまでも性に貪欲なキャノン先生は二台のビデオカメラを用い、自分の処女喪失の瞬間を収めようとする。
「第3話 制服!キャノン先生」

テレビのハリボテを被らされた貧太はお嬢様学校の制服を着たキャノン先生と「異次元テレビプレイ」をすることに。
「異次元テレビプレイ」とは貧太が受信者、キャノン先生が配信者となりキャノン先生が貧太に向かって痴態を見せ付けるプレイである。
ちなみにただのテレビではなく「異次元テレビ」なので、受信者は配信者に触れたりそれ以上の事をすることも可能。
「第4話 潜入!キャノン先生」

出版社の宴会に強引な方法で潜入したキャノン先生。
(キャノン先生の年齢は極秘事項なので本来公の場には参加できない)
色々あって、嫉妬に狂い酒に酔った貧太にフェラを強制される。
「第5話 団欒!キャノン先生」

キャノン先生との初デート後、キャノン先生の自宅を訪れる貧太。
なんと両親がすぐ前に居るのに、挿入を求めてくるキャノン先生。
綱渡り過ぎる「一家団欒陵辱プレイ」が収録。
「第6話 貧太覚醒」

メイド服でご奉仕Hに励むキャノン先生。
その後貧太は性生活とアシ生活が充実している反面、自身の創作活動が全く進んでいない事に気付き激しく自己批判する。
「第7話 貧太迷走」

久しぶりに自分名義の仕事を得た貧太だったが、執筆作業は遅々として進まず迫り来る〆切。
彼はそのプレッシャーと才能の有る作家に対する劣等感に苛まれ、キャノン先生に八つ当たりしてしまう。

その後、Hのお預けが続く事による欲求不満と貧太への腹いせに扇風機オナニーに励むキャノン先生。
彼女の性欲は淫乱を超えて色情狂に近いレベル。
「第8話 拝啓、あの日あの時あの勇者。」

結局〆切に間に合わず、編集長牛田に三下り半を突きつけられ失意に沈む貧太。
しかし、その後自らがエロ漫画家になろうとした過去の強い動機と情熱を思い出し再奮起。
牛田に懇願し、〆切を10時間だけ待ってもらえる事となる。
また、キャノン先生の幼少期の苦い記憶とコンプレックスが語られるシナリオ的に非常に重要な回でもある。
シナリオにページを割かれている分Hシーンはやや少なめ。
「最終話 キャノン先生トばしすぎっ♥」

その強すぎる性への興味を常に両親や教師、級友等から咎められてきたキャノン先生は上記の質問を貧太にぶつける。
それに貧太は何と応えるのか?
貧太の入稿は果たして間に合うのか?
そして、二人の関係はどのように収束するのか?
ラストに向かって展開は急加速する。
□推奨点
・緻密さこそあまり感じないものの、迫力と躍動感のある画風はシナリオにもよくマッチしている。それによってキャラクタが情熱的に生き生きと動き、それぞれの輝く個性と魅力を読者に向かって放ち続ける。
・画力自体も「妹ゴコロ。」の時と比べると、粗さが影を潜め洗練されてきた印象。作者はここ数年でかなり地力を付けてきた作家の一人。その成長力も特筆に価する。
・「異次元テレビプレイ」や「一家団欒陵辱プレイ」、「扇風機オナニー」などの個性的過ぎる濡れ場のインパクトは他の追随を許さない。よって本作品に似た作品はまず存在しないであろう。アイデア力とオリジナリティの高さが光る。
・陳腐なストーリーになりがちな男性向け成年コミックでありながら、シナリオが非常にしっかりしており物語性は非常に高い。序盤から中盤の展開で読者を一気を惹き込み、疾走感を保ったまま余韻のある美しいラストシーンへと向かう。相当に読み応えのある内容であり、読後の充足感も大きい一冊。
・男性向けエロマンガでありながらエロだけに終わっていない作品。
エロマンガ稼業の苦悩と葛藤、加えて二人がそれぞれに抱える過去のトラウマと劣等感。それでもエロマンガを描こうとする彼らの強い動機と情熱。それらが非常に色濃く描かれていることが多くの読者の琴線に触れたようだ。
・ストーリー性の強い作品ではあるが、ポルノ媒体としても水準かそれ以上。絶妙なバランスで双方両立させているのは大したもの。
・冒頭にも記した通り値段はやや割高だが、その分頁数多目なのでコストパフォーマンス大。厚くて熱い一冊。
□留意点
・あまり他のレビューでは言及されていないが、本作品はどちらかというと「ポルノ媒体」というより「エロティック熱血ストーリー漫画」として高く評価されている模様。
確かに大胆かつ濃厚な濡れ場は「水準かそれ以上」ではあると思うが、「抜群」とまでは言い難い。もっと巧くてエロい絵や話を描く作家はゴロゴロ居る・・・・・・とまではいかなくともそれなりに存在する。
・ストーリーにページが多く割かれている為に濡れ場のボリューム不足を感じる回もある。例えば「第8話」では全28頁中濡れ場シーンは約6頁しかない。また「第3話」の冒頭シーンのように説明台詞がやたら多いページ等もある。これらはポルノ媒体として評価するならばマイナス材料にもなりうる。
「第3話 制服!キャノン先生」冒頭より参考ページ

2頁に渡りエロマンガ業界の実態について説明されている。
・よく考えると「異次元テレビプレイ」って配信者側のキャノン先生がテレビに入ってないとおかしいよね。
□総評
ロリ系のエロマンガでありながらそのシナリオ性の高さと、読者を良い意味で裏切り続ける意外性、及び疾走感のある大胆な展開。
加えて、キャノン先生と貧太のエロマンガに対する強い情熱と、それを浮き彫りにする二人のコンプレックスやトラウマの対比描写が秀逸。
しかしながら、本作品を単なるポルノ媒体として捉えるならば「□留意点」項目で記したようにマイナス材料も目に付く。
それでもやはり、これだけ方々で絶賛されるということは「エロマンガという枠内でこれだけ情熱的なシナリオを成立させたのは素晴らしい!」と多くの人が評価したからに他ならないであろう。
当ブログに於いては「画力」項目と「実用度」項目を最重要視するために、その二項目ともに満点に満たないのに「総合評価」項目を満点にするというのは通常有り得ない。
だが、減点材料に対しあまりにも加点材料が大きいために「総合評価」に於いては満点評価とした。
【蛇足極まりない管理人のごく主観的な感想】
個人的には神作品だと思う。
エロとか一般とかを超越した大傑作だと感じた。
勃起しながら感涙する漫画に出合えるとは夢にも思わなんだわ。
「四の五の言わず兎に角読め!」と言いたくなる作品。
【一年後の追記】
あんだけ入手できなかった限定版がまだ売ってるのはどういうことだよ。【関連】
□XOろぐ もうすぐ最終回!「キャノン先生トばしすぎ」特集!!!
□Stack-Style: 『キャノン先生トばしすぎ』──ゴージャス宝田
□まんがさんぽ ■キャノン先生トばしすぎ 初回限定版 (ゴージャス宝田)
□あくまでも「エロマンガ好き」な人に向けての「キャノン先生トばしすぎ」のススメ。 - たまごまごごはん
□犬の本棚 愛のあるエロはエロい
□『キャノン先生トばしすぎに』かこつけてエロ漫画を語ってみる 漫画ドランカーの小部屋/ウェブリブログ
□ぷてぃ・あんじぇ Webloli:『キャノン先生トばしすぎ』(ゴージャス宝田/オークス)
□30男と12少女、これが2人のエロ漫画道、『キャノン先生トばしすぎ』 DAIさん帝国/ウェブリブログ
□エロ漫画に必要なのはエロさ、そして情熱なんだよ! - キャノン先生トばしすぎ - 真・業魔殿書庫
□今日、『キャノン先生トばしすぎ』を見た。もう怖くない。 - And Then There Were None
□しばた@OHPの「キャノン先生トばしすぎ 初回限定版 (XOコミックス)」レビュー :おた☆スケ -おたくのスケジュール帳-
□絶望先生ブログ するんぱしっく・わ〜るど : ゴージャス宝田先生『キャノン先生トばしすぎ』初回限定付録小“雑誌”に霧ちゃんのあのセリフが!
□ゴージャス宝田とは - はてなダイアリー
□妹ゴコロ。(ゴージャス宝田):ロリ漫画を淡々と評価するブログ【ろりたん】
□えろまんがとぴっくす:ブログ検索「キャノン先生」
□ゴージャス宝田を語るスレ Part.2
□☆2ちゃんねらーが選ぶエロマンガ大賞2007☆
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